運輸新聞｜1920年創刊の物流・ロジスティクス・運輸・運送業界の専門紙

　日本百貨店協会は、物流の２０２４年問題に対応するため、開店前納品を是正するとともに、納品リードタイムを緩和する。百貨店、納品代行事業者、日本アパレル・ファッション産業協会加盟企業の総意により、まずアパレル・ファッション関連商品から取り組みを開始した。

　これまで、店舗の開店時間に合わせて品揃えするため、検品が必要な商品は物流事業者が深夜に検品作業を行い、早朝にドライバーが集荷して開店前に納品することが慣例化していた。

　今回、検品作業を深夜から翌日中に移行し、納品を一部開店後にずらすことで、物流事業者による深夜検品作業を削減しドライバーの労働時間短縮を図る。

　納品リードタイムも緩和。これまで納品量が多い店舗へは、開店時間に間に合わせるため複数のトラックで納品していたのを、１台のトラックによるピストン運行に切り替える。一方、納品量の少ない店舗へは、積載効率を向上するため、納品回数を減便・集約する。

　昨年度、先行する百貨店９社が納品代行事業者やアパレル・ファッション関連事業者とともに検討を進め、一部店舗で実証実験を開始。これをもとに、日本百貨店協会は全国の加盟百貨店向け説明会を６月に開催。各加盟店は、来年４月の働き方改革関連法施行に向けた準備に入った。

　今後は雑貨などの商材への拡大も視野に入れている。