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青函ルートの対応を誤ると  日本経済縮小の負の相乗に

青函ルートの対応を誤ると  日本経済縮小の負の相乗に

第7回通運事業フォーラム

  大山智広氏
     相浦宣徳氏
 札幌市で開催された第7回通運事業フォーラム(全国通運連盟主催)では、北海商科大学の相浦宣徳教授が鉄道貨物輸送、アスエネの大山智広氏が脱炭素経営をテーマに講演。相浦氏は「北海道で起きていることは、全国に広がっていく」と危機感を示した。
 相浦氏は、北海道は少し前までは「特異性」と片付けられたが、最近は「こと物流に関しては、全国の縮図の位置づけとなっている。先進事例として注目を浴びている」とし、特にトラック輸送力の低下は「対応を誤ると経済が痛んでいく」との考えを示した。
 目下、北海道は貨物線区や並行在来線の存続問題が発生している。鉄道は5㌧コンテナが中心で「ロットの小さいものを運んでおり、簡単に船に転換できない」こと、改善基準告示の改正により「鉄道貨物駅のある札幌、フェリー航路の苫小牧からトラックで日帰りできる地域とそうでない地域があり格差が生じている」、繁閑差の大きい農産物輸送はトラックの多重下請構造でこなしてきたが、トラック適正化二法により2次制限がかかると「影響がある」の回答は75%に及んでいると説明。
 北海道では、交通・物流連携会議など多くの会合が開かれているが、「どの会合でも、鉄道をもっと利用していこうと、鉄道に対する期待は高まっている」と述べた。
 青函ルート問題などにより、今後鉄道からフェリーへの転換が起きると「末端のトラック輸送力の奪い合いが発生し北海道発着貨物量の減少につがり、北海道経済は弱体化する。同じように、輸送力格差は産業の縮小につながり、地域の切り捨てが起こり、それが道外にも広がって日本経済が縮小していく、負の相乗が起こる」と危機感を募らせた。
 その上で、青函ルート問題について北海道新幹線延伸に伴う鉄道物流の有識者検討会は「今後じっくり考えよう、とのスタンス。しかし、これ以上先延ばしすることは鉄道利用の促進に反する」。並行在来線の問題も「国をはじめとする関係者でなく、国が主体となってに表現を変えるべき」との意見を述べた。
 ■脱炭素を企業価値向上に活用を
 続いて講演した大山氏は、2021年に東証上場企業にサステナブル経営の取り組みの開示が義務付けられ、トヨタやアップル、イオンはサプライヤーに削減目標を立てるよう要請しており、特にScope3について「中小企業にも要請がきており、応えていかないと取引停止を示唆する事例もあり、それが加速化している」と説明。
 Scope3には物流に関する項目が含まれているが、「モーダルシフト、共同輸配送、積載率向上、ミルクランのような輸送距離短縮により原単位を低減することができる」とした上で、サステナブル経営を「企業価値の向上に活用する企業も増えている」と、前向きな取り組みを求めた。

                        2025.10.7

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