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日本通運 プロテクトBOXサーマル  万博で実証開始

日本通運 プロテクトBOXサーマル  万博で実証開始

保冷性能が大幅向上 エネ不使用

説明に当たった藏田、南村、岩井各氏
(右から)
 日本通運は5月28日、企業向け小口貨物輸送機材「プロテクトBOX」の新バージョン「プロテクトBOXサーマル」を報道陣に公開した。新開発のステンレス密封真空断熱パネルを採用したことにより、エネルギーを使わない保冷・保温性能が大きく向上した。
 断熱効果を大きく向上させたのは、タイガー魔法瓶が新開発したステンレス密封真空断熱パネル「TIVIP(ティビップ)」。理論的にはステンレス魔法瓶をフラットパネルにしたものだが、ステンレス加工・溶接は難しく、10年がかりで完成に漕ぎつけた製品。発砲ウレタンの10分の1の厚さで同等の保冷性能がある。
ボックスの折り畳んだ
状態を説明する藏田氏
 
 日通のプロテクトBOXは、岐阜プラスチック工業(本社=岐阜県岐阜市)が製造する樹脂製ハニカム(蜂の巣状)コア材により軽さと強度に優れた「TECCELL(テクセル)」のパネルを採用している。今回、ティビップをテクセルでサンドイッチにした断熱ユニットパネルを共同開発し、製品化した。
 温度維持に必要な電気エネルギーの使用を抑えることができ、CO2削減とランニングコスト削減に貢献。パネルの真空度は30年以上維持できるため、断熱材の交換頻度を大幅に減らし、ライフサイクルコストを抑えられる。また、不燃性が高く、火災リスクを抑えることもできるため、保管中の安全性にも効果を上げる。
 プロテクトBOXが48㌔㌘なのに対し、プロテクトBOXサーマルは68㌔㌘と重量は増えているが、医薬品、精密機器・電子部品など軽量な商品の輸送品質の向上が期待される。
  今回、高断熱ロールボックスも製品化するとともに、リーファーコンテナの内壁に実装して消費電力削減試験を行い、モーダルシフトのシフト先での導入拡大を図っていく。
 報道陣への説明には、日本通運事業統括本部ネットワーク商品企画部の藏田隆典専任部長、タイガー魔法瓶の南村紀史真空断熱パネルプロジェクトリーダー、岐阜プラスチック工業TECCELL事業部の岩井真人技術部長らが出席。
 5月27日から、大阪・関西万博の会場内で提供される食品、飲料、土産物など温度管理が必要な貨物輸送にプロテクトBOXサーマルを実証実験として投入。夏季の温度上昇抑制といった温度データを管理し、器材内の温度維持機能向上に向け改善を繰り返す考えなどを紹介した。
                            2025.6.3
 

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