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運輸労連 運研集会  組織強化・拡大を議論

運輸労連 運研集会  組織強化・拡大を議論

社会全体を巻き込む動き加速

   成田幸隆委員長
 運輸労連は、第55回運輸問題研究集会を15~16日の両日、新潟県湯沢町で開催、約300人が参加した。冒頭、成田幸隆委員長は「仲間を増やし、全体で公正・公平な業界に変革していくことが重要」として、組織拡大の取り組み強化を訴えた。
 成田委員長は、6月に異例のスピードで成立したトラック適正化二法に触れ、法の目的に『労働環境の適正な整備に留意』の文言を入れることができたことや、4つの重要な柱である事業許可の更新制、適正原価の導入、再委託の制限、白トラ対策の強化について説明。「物流の2024年問題を解決するため、社会全体を巻き込んだ動きはまだまだ加速し続けていく。多くの課題を一つひとつ着実に解決しながら魅力ある産業、笑顔あふれる産業の実現に向け、一丸となって取り組みたい」と述べた。
 25春季生活闘争は、単純平均で6965円と過去30年で最高の解決額となったが、格差は広がり物価上昇が長期化することを懸念、「来年、再来年、さらにその先も継続した賃上げが必要」との考えを示した。
 組織拡大に言及。労働組合の推定組織率は16・1%で、企業数でみれば1%にも満たないとした上で、仲間を増やす取り組みをこれまで以上に活性化するため、各機関とオルガナイザーとの連携強化、学習会の開催など現地での取り組みをサポートし、「労働組合は必ずそばにいる存在であり続けたい」と強調した。
 全体集会では、流通経済大学の矢野裕児教授が「日本の物流の未来」をテーマに「先を呼んだロジスティクス」について解説。連合の大磯扶三彦中央オルガナイザーが「組織強化と拡大」をテーマに、企業内未組織・未加盟者の組織拡大強化の必要性を訴えた。
 ■荷待ち・荷役時間減っていない
 矢野氏は、ドライバーの急速な高齢化や求職者数の減少などにより、道路貨物運送業は2020年の169万人に対して35年には119万人と3割減が確実と説明。
 24年問題で、ドライバーの拘束時間は減ったが運転時間が短くなった(長距離輸送が減)だけで「荷待ち・荷役時間は減っておらず、着荷主の取り組みが進んでいない」と指摘。「特に影響が大きい長距離・地方部の幹線輸送をいかに束ねるかの議論が必要になる」との見解を示した。
 物流改革の前提となる標準化について、持論である「業務プロセスの標準化により仕事のルーティン化を進めてコストを抑え、カスタマイズされた物流業務は別途料金を請求する、先を呼んだロジスティクスへ転換すること」が必要とした。また、24年問題で消費者の意識も変わりつつあり、「社会全体の意識を変えることが必要」と述べた。
 分科会は、賃金・労働条件改善に向けて、当面する政策課題への対応、組織強化・拡大をテーマに議論した。
                       2025.10.21

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