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合成燃料 27年に熱効率達成へ
合成燃料 27年に熱効率達成へ
産構審WG 30年に製造技術開発
脱炭素燃料には、水素やアンモニアのほか、液体燃料としてバイオ燃料や合成燃料がある。液体燃料は、エネルギー密度が高い特徴があり、大容量の畜電池や水素タンクの据置により電動化が困難な長距離輸送車両や大型航空機などの領域で実現し得る。特に自動車はSSや既存のエンジン(内燃機関)が活用可能であり、ほかの新燃料に比べ導入コストを抑えることができる。
CO2と水素から製造する合成燃料は、商用規模で運転した例はなく、世界に先駆けて製造技術を確立すれば、海外市場の獲得につながる可能性がある。レジリエンスの観点からは、災害時の燃料配送の継続、立ち往生した自動車への給油、エネルギーセキュリティの観点からは常温常圧で液体という特性を生かし、長期備蓄が可能という優位性もある。
研究開発計画では、①高効率な液体燃料製造を実現する触媒の研究開発、②大規模製造を実現する製造設備の設計開発、③燃料の性状変化や燃料価格に対応できる燃焼技術や排ガス処理技術の研究などに取り組む。
合成燃料により、CO2排出量を現行の1キロメートル当たり110キログラムから半減するため、27年までに大型車用内燃機関の正味熱効率55%以上を達成する基盤技術を確立。
合成燃料は、CO2を反応性の高いCOに変換し、その後FT(Fischer-Tropsch)反応で液体燃料となる炭化水素を合成。その際、反応の制御(液体燃料の収率向上)が課題になる。このため28年までにパイロットスケールで液体燃料収率(原料に対する百分率)80%以上を達成する高効率な製造プロセスの要素技術と設計を確立する。
しかし、現時点で合成燃料の市場は見通せないことから、民間が単独で技術開発を行うことは困難なため、国が主体となって委託事業として行い、パイロットスケールの段階で補助事業へ移行する考え方で進める。
2025.10.17


